JOURNAL 03

幸せは自分の内側からつくりだす【ヨガ講師 京乃ともみ】

今を生きる私たち現代人は、忙しさや周りの環境により食生活が乱れたり、毎日入ってくる情報もやらなければいけないこともいっぱいで、常にストレスにさらされており、カラダが酸性化しやすくなっています。
そこで、Well&Bのインタビューコンテンツでは、いつも魅力的なあの人が、どのような考え方やインナーケアをして自分の心とカラダと向き合い、整えているのかにせまります。心地よく理想のライフスタイルのヒントを一緒に見つけていきましょう。

Vo.2 ヨガ講師 京乃ともみ

【プロフィール】

全米ヨガアライアンス認定ヨガ講師。一児の母。32カ国旅をしながら、さまざまな国でヨガを学ぶ。
ラグビー日本代表候補合宿、柔道女子日本代表、サッカー選手などのトップアスリートを担当する一方、企業では働く人向けの出張ヨガ教室を開催。初心者から上級者までそれぞれにあったヨガを提案している。
著書 『働くみんなの1分すぐ楽ヨガ』 (学研プラス) は3カ国にて翻訳版が発売されベストセラーになる。 『SNOOPYといっしょにヨガ 』も好評発売中。

———ヨガは何がきっかけで始められたのですか?

友達がLAに留学に行っていて、そこに遊びに行ったのですが、当時ちょうどオーガニックやヨガ、健康ブームに火が付き始めた頃で。友達が通っていたヨガ教室に連れて行ってもらってそこからどっぷりハマりました。

海外だからかもしれないのですが、その時受けたヨガは、すごく汗をかくハードな動きで身体を開放していくようなヨガでした。日本に帰ってきて同じようなヨガをやりたいなと思ったときに、ゆっくりしたストレッチ要素の強いヨガが多くて...もっと動くようなヨガを学びたいし、奥深いところまで知りたいなと思って大学が終わったタイミングでハワイに留学にいきました。

———ハワイ留学で印象的な思い出はありますか?

一番印象的だったのが、ハワイ島のネイキッドビーチという場所で、多様性の神髄みたいな場所だったんです(笑)開放的で、どちらかというとマイノリティの趣味嗜好をもった方が集まっていて、裸でビーチにいる人がたくさんいるような場所でした。

———最初は驚かれたのではないですか?

最初はびっくりしましたが、色々な人に触れ合う中で自分の常識が完全に覆されましたね。そういった経験をしていくと、正しいとか正しくないとかという次元ではないなと感じて、自分の価値観もいい意味で壊されていったような感覚がありました。そこから人をフラットに見るようになりましたね。

———ヨガに出会う前やハワイ島に行く前と、どのような変化がありましたか?

今とは違ってティーネージャーの頃はすごくメンタルが弱くて、すぐ落ち込んでしまっていました。精神的に不安定なときは過呼吸になることもあったのですが、ヨガと出会ってカラダだけではなく、心もすごく楽になったのでハマっていったところもあります。

———ハワイ島から帰ってきてからは、どんなキャリアを積まれていったのでしょうか?

ヨガの資格を取って帰国したときがちょうど東日本大震災の時期で、自分にもなにかできることはないかと考えているときに知り合いに声をかけてもらって岩手県でヨガを教えることになりました。その後も、NPO法人で教えたりと、ボランティアでずっとヨガを教えていたのですが、リーボックONEアンバサダーになってから、少しずつヨガを仕事にできるようになりました。

リーボックのアンバサダーに選ばれたとき自信がなかったのですが、担当の方に「いい先生はいっぱいいるけど、ハートがいい先生はあまりいないよ。あなたはハートがいいから自信もって大丈夫!」と言ってもらって。それが今でも心の支えになっているのですが、そこからは自分のハートに自信をもって、謙虚な気持ちで学び続けようと感じました。

———京乃さんのハートの素敵さはそういった経験からきているのですね。
今まで32ヵ国に行かれた行動力もすごいなと思うのですが、それはどのような経験だったのでしょうか?

ヨガ講師として独り立ちでできるようになるまで、インドやブラジルなど色々な国に行っていて、すごくたくさん学びがありましたね。現地の方の近くで自分とは違う価値観にたくさん触れることで、その人が持っているものや育ってきた環境は全部抜いてその人を見るということが大切だと感じました。

———京乃さんがヨガを教えるときに大切にしていることはありますか。

ヨガが大好きな人ばっかりが集まっている場所ではなく、企業やスポーツチームなどで教えることも多いので、なるべくすんなり入っていけるようにエビデンスに基づいた説明をするように心掛けています。ヨガを身近に感じてもらえて、日常に落とし込めることを大事にしていますね。逆にヨガが好きな人が集まる場所では、もっと深く知りたいという方が多いので哲学的な話や、スピリチャルな話を織り交ぜながら話すようにしています。

———ここからは内側のケアについて伺えればと思います。
インナービューティーに興味をもったきっかけは何ですか?

人は食べたもので出来ているので、ヨガのような肉体的なアプローチだけでは自分が健康でいるには不十分だなと感じて食のことを勉強するようになりました。そもそもヨガの好きなところも包括的に見ているところなんです。ヨガのポーズだけではなくて、呼吸・メンタル・ライフスタイル・潜在意識などから紐解いて総合的なWell-beingを目指すヨガの考え方が好きで。その中で、インナービューティーや食事は切っても切り離せない大事なものだなと感じます。

———インナービューティーについてご自身で勉強されていたりしますか?

アスリートフードマイスターや腸質改善アドバイザーの資格を取りました。他にも、食に関する知識は自分で積極的に取りに行くようにしています。

———食事で工夫されていることや意識されていることはありますか?

色の濃い野菜と、茶色いもののバランスを意識しています。また、調味料は化学調味料などで腎臓に蓄積するものよりかは、自然で循環するものを選ぶようにしています。

———お子さんもいらっしゃる京乃さんですが、お子さんの食事も気を付けていたりしますか?

最終的に判断するのは子どもだと思っているのですが、私の背中を見て、自分も気を付けようと思ってくれたらいいなとは思っています。外で身体によくないものを食べてしまうときもあると思うので、せめて家の中ではと気をつけています。

あとは、自分が作ったものが1番安心して自分も子どもも食べられるというところはありますね。食事を作ることは自分の中でプライオリティが高いです。
逆に掃除はそんなにぴかぴかにしていなくて…(笑)自分の中で家事の優先順位を決めて、すべてを完璧にしようとせず、気楽にやるようにしています。

———他に健康や美容関連で普段愛用されているアイテムはありますか?

最近は、知り合いにいただいたintoのバームと香りのオイル愛用しています。元々オイル美容がすきで、アロマセラピーアソシエイツのバスオイルも使っています。あとは、エッセンシャルオイルで瞑想したり、寝る前にデヒューズして植物由来の効能に力を借りますね。

———特に好きな香りなどはありますか?

おもしろいことに、身体の状態によって「ウッド系がいい」「オレンジの香りがいい」など欲する香りが違うんです。アロマセラピーアソシエイツのバスオイルは、効能がわかる名前が書かれているので、目的によって選ぶようにしています。

———物を買うときに基準にしていることや意識していることはありますか?

エシカルやサスティナブルといった視点を意識しているので、なるべく悪いものを排出しないものや、土にかえるものなど循環するものを買いたいと思っています。

———京乃さんが行っているカラダを整えるアルカライズな行動はありますか?

ヨガはアーユルヴェーダと姉妹化学なので、デトックスファーストの考え方なんです。腸をねじったり腹圧がかかるような動きを取り入れたりすることでしっかり排出できるカラダづくりをすることを心がけています。

あとは食事の中でグリーンズや発酵食品(納豆、お味噌汁、ヨーグルト)などを取り入れることや、太陽の光をしっかり浴びて免疫システムを元気にしてあげることを意識しています。また、カカオが酸化を防いでくれるので、運動前はカカオを取るようにしています。

———Well&Bの考え方として”フラットな自分”を保つということを大事にしているのですが、京乃さんがご自身を心やカラダの揺らぎをフラットにするために工夫していることはありますか?

私にとっては、ヨガと瞑想ですね。ヨガは、なにかを足していくよりも本来あるべき姿に戻していくという考え方なんです。だから凝り固まった身体をほぐしたりして整えたりすることで、本来の自分の姿に戻って来れる感じがするんです。そうすると、他の外的要因に影響されずに幸せでいられると思います。

———京乃さんにとってフラットなときってどんな状態ですか?

自分が自分の内側だけで幸せを感じられている状態ですね。例えば何かがあるから幸せ、お金があるから幸せ、人と比べてこうだから幸せなどではなく、なかったとしても、自分の身体が整っていて幸せを感じられるのが私が考えるフラットな状態かなと思います。そうすることで、他の人に対してもその人が持っているものなどではなく、パーソナリティをしっかり見ることが出来て、フラットに接することができる感じています。

———逆に自分が乱れているなと感じるときもありますか?

なにかイライラすることが起こったとか、嫌なことを言われたとか外的な要因で乱れてしまうことはあります。でもまた自分の中で幸せを作り出せたら、元に戻せるなと思っています。

———その問題を解決するというよりかは、自分をフラットな状態に戻すことに先に意識を向けるということですか?

そうです。問題が解決できることだったらいいのですが、コントロールできない問題もたくさんあると思うんです。それに同じ問題が起こっていても、自分の調子が悪いとネガティブに捉えてしまうことも、調子がいいと別の視点で考えられたりしますよね。
外側に意識を向けるとキリがないし、いつまでも満たされないので、あくまでも自分の中で幸せを感じられることを1番大切にしています。

———最後に、最近興味を持っていることや将来の夢などはありますか?

学校でレッスンするなど学生に向けてヨガをしてみたいという夢があります。先ほどもお話ししたのですが、私がティーネージャーの頃1番精神的にしんどくて、ヨガに出会ってかなり楽になったので、まだ知らない若い方がいたら、役に立てたらいいなと思います。

京乃さん、貴重なお話しありがとうございました。